ワークスをはじめ優勝を狙うチームや、プライベータートップを狙うチームもいる。ぼくらは順位はともかくまず完走が第1目標。 参戦目標はいろいろあっていいと思うし、ぼくらはぼくらのやり方で完走を目指し、8耐を楽しむ。楽しむことにかけてはどこのチームにも負けないつもり。 できることなら少しでも多くの人に応援していただきたいし、8耐の面白さも伝えたい。さらにみんなで感動を分かち合えれば... 「#42 スポーツライダー&Eフリークス 松島/岡田組 148Laps --Did Not Classify 」 このリザルトを見ただけでは、「ふーん、ダメだったのかな...」だけで終わってしまう。 転倒、修復、再スタート...そしてチェッカー。8時間のあいだに様々な事があり、いろいろな思いが巡る。ライダーにもピットクルーにも、観客にも。 そんなこんなで、テレビや雑誌・リザルトだけではまず知ることのできない、ぼくらの奮戦記です。 |
相棒の岡田聡に「R1で8耐をやろう」と誘われ、初走行で転倒・負傷。1年半のブランクの上に2ヵ月マシンに乗れないという波乱のスタート。
その後も練習に行こうとすれば雨。復活一発目の走行も雨。ドライのフルコースでの走行ができないまま、7月に突入してしまった...。こんなの初めて。
最初で最後となってしまった鈴鹿フルコースでの練習走行で、ちっともタイムが出なかったので、これは現実問題として予選突破も危ういか...?
予選落ちするのはS-NKクラスではわずかに4台程度。これには入りたくないなぁ...でも可能性は高いような...。
とにかく信じるしかない。決勝に向けての準備もしない訳にはいかないし。行けると思って行かなければ行けるものも行けないし。
さぁどうする?
「フラワー」を口ずさみながら... |
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マシン作りは岡田が、睡眠時間を削って、休日はフルに使ってがんばってくれている。 ピットクルーのみんなも同様いろいろがんばってくれている。もちろん自分も。 でも、苦しいことばかりじゃない、がんばってる君も僕もいるんだから、8耐出場&完走の夢を叶えよう、愛の花(モーホーぢゃないぜ!)が咲いた時(チェッカーを受けて花火が上がったら)みんなで喜びを分かち合おう! kinki kidsのフラワーって妙に8耐にマッチしてると思いませんかぁ? |
まだまだテストしなければいけないこともあり手探りの状態。それで練習日が一日だけは正直きつい。
果たしてタイムは詰められるのか!? イメージトレーニングの効果は?
走り方を変えて行かないと行き詰まってしまいそうで怖い。
さて予選組はどっちだ? スペンサーと同じ組がいいなぁ...。
モバイル部隊と留守番部隊 |
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ホームページを使ってなんとか情報を伝えたい。。。これが今回の課題であり目標。 テレビ中継があるとは言ってもCSを見られる人はまだ少ない。それにぼくらのようなチームが画面に登場するのは、せいぜいトップグループにラップされる時だろうし、たまに出る順位表で走っていることが確認できる程度。 それではどうやってぼくらの動きをみんなに伝えるか? 「今、何周目を走っているのか? 何位なのか? 次のピットインはいつごろか? ペースはどうなのか? マシンの調子は? コースは? ライダーのコンディションは? 作戦は? etc...」 正直なところ、耐久レースはピットにいるのが一番おもしろいと思う。 最近はピットモニターで、順位やタイム、前後のライバルとの差もリアルタイムでわかる。それによって作戦を変えてみたり、ライダーにゲキを飛ばしてみたり。また、ライダーからじかにいろんな話も聞けるし、ピットインの時には緊張感が走る...。 テレビ等でも、どこかのチームやライダーに焦点を当てた(かつてのチームシンスケのような)ドキュメント物みたいなほうが、グッとくるものがありませんか? そこでモバイル部隊にご出動願ったというわけ(モバイル部隊の到着までは留守番部隊が出動!)。 (モバイル部隊については後述) 実はあまりにもピットのほうが準備不足だったために、情報をうまくモバイル部隊に伝達できず、おまけに転倒まであって...(こういう時ほどうまくやれれば...とちょっとハンセイ)。 そんな状況下、できる限りのことをモバイル部隊(と留守番部隊)にやっていただきました。(もちろんボランティアで...多謝) その記録が↓の「リアルタイム記録」です。(みなさんからのメッセージもそのまま掲載してあります。) |
予選組はA組。S-NKは強者揃い。おまけにスペンサーとは別組。練習走行から組分けされるので一緒に走るのは決勝。絶対に予選落ちするわけにはいかん!!
公式練習一発目。いきなり約3秒タイムアップ。ちょっと安心。それでも21秒後半。20秒は切りたい。(当初は18秒はすぐに出ると思っていた...)
2本目セッティングを少し振ってみた。が、失敗。タイムは上がらない(まぁ言わせてもらえば、直後に車検を控えていたためコケたり壊したりしたら大騒ぎになってしまうので、やや心理的リミッターが働いた模様)。
3本目。車検も無事通過したことだし、タイヤを新品にして思い切って行ってやろう、のはずがまたもタイムアップできず。どうも疲れが...。
翌日の予選は体が新鮮なうちの午前のセッション(それも前半)が勝負だな。午後は路面温度も上がるしね。
まわりを見てみれば、どプライベーターはどんぐりの背比べ状態で、どうやら仲間うちで予選通過ラインの攻防になりそうな気配。
真っ先にコースインして幕を切ってやろうと思っていたが、腕章を付け忘れピットに戻される#52の及川君に行く手をさえぎられ作戦失敗。
前半勝負を頭においてタイムアタック。少しずつタイムを削るが思ったほど上がらない。
11周目、2'20.882。もう少し、と走り続ける。
残り1分をコントロールタワーで確認。あと1周だ。最後のアタック、1コーナーへ。
ところが...。
130Rを立ち上がろうとしたらマシンが失速! おやおや??
そのままシケインまで行くがエンジンストップ。「ガ、ガス欠だぁぁあ」
何秒出たかはわからないけど、これは痛いっ。いい感じだっただけにちょっと悔やまれる。
果たしてA組ではS-NKは何台が決勝進出するのか?(全体では25台なのだが...)
もし予選を落ちるのが2台ずつとなれば、これは油断ならない。後がない。
ぼくらのすぐ前は20秒338の#76 柳本選手。その前(S-NKでは)になると#52の及川選手の17秒595。これは簡単には届きそうもない。ターゲットは#76だな。水曜の夕食を共にした仲間だが、予想通りの展開。
それに何が何でも20秒は切っておきたいし。
ペースが上がったせいか、気合いのせいか、エンジン右下に付けたクラッチのレリースガード(樹脂製:オートスタッフスエヒロで作ってもらった)左側はジェネレーターカバーが接地してしまう。
S字では接地した瞬間にガッとアウトへ逃げる。危ないよな。
「誰が予選トップタイム?」「知らん」「加藤大治郎が8秒台?」「ふ〜ん...」
そんな感じ。自分たちのことで精一杯。
ピットに戻ると岡田に「加藤選手が19秒台に入った」と聞かされた。#21が復活したことも。むぅぅぅ、もうひと踏ん張りせにゃ。
柳本くんのタイムは上がっていないらしい。まずはここをやっつけよう。
再びコースイン。徐々に上げるがまだ届かない。
その時サインボードに「UP」の文字が! 「うんにゃろ〜!!!」
経験が大事な耐久レース |
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今回のピットクルーはみんな8耐初体験。松島は5回目。いろいろノウハウ(たいしたものではないけれど)を伝授しながらのレースでした。 レース前の準備から、レースウイーク中の注意事項、時間配分、決勝中の作戦等々があるわけですが、8耐となれば他の耐久レース以上に経験が大切になってきます。 そこで耐久経験者も少ないのでRacing Garage ASP.の足立さんに助人を依頼(観戦がてら、と快く引き受けてくれましたが、後に大活躍することに...)。 さてそんな中、上記の「UP」サイン。 「うんにゃろ〜!!」には、もちろん自分にムチを入れる意味もありますが、サインマンへの「おのれ〜、目一杯走っとるわい!」という気持ちもありました(笑)。 でも結果としてそれでタイムアップしたので、実は大正解だったのでしょう(爆笑)。 |
予選終了後ピットへ戻ると「よっしゃ〜」と迎えられる。「お、19秒台に入ったかな?」
#76を逆転したことを聞かされ、まずはホッとした。20秒は切れなかったけど...。
予選さえ通ってしまえば、決勝は作戦どおりに着実に行くだけ。
「とにかく重大な責任は果たせた。良かった〜。」これが本音です。
スポンサー様にも、応援してくれる人達にも、ホームページを見てくれた人にも、ピットのみんなにも、そして岡田にも、これでなんとか申し訳がたつ。
決勝に向けてしてきた準備、モバイル部隊もこれで無駄にならない。ほっ。
「決して無理したわけではないんだよ。」
「それなりに走っていたら23秒に入ったし、そろそろ切り上げてしまおうか?なんて考えていたら...」
華やかなスタートライダーと感動のゴールライダー |
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8耐でもっとも華やかなのはやはりスタート。スタートライダーにとっては晴れ舞台。 一方もっとも感動的なのはゴール。ゴールライダーにはパレードラップもあり、無事にチェッカーを受けられれば、これほど感動できることはない。 ぼくらの作戦は、燃料タンクが小さいこともあり、9ストップ10セクション。これだとスタートライダーはゴールを担当しない。奇数にしてしまうとスタートライダーはゴールも担当でオイし過ぎ。 で、松島は一度ゴールライダーを経験している(めっちゃ感動しました)ので、これは岡田に経験させてやろう(ってゆーか、華やかなスタートライダーは譲れないぞ)ということで、松島がスタートを勤めることになりました。 |
ほんとに見えないんですよ。特にデグナーから先の西コース。
ライトが付いてると言っても(カウルの左側についているから)左コーナーでは目の前を、右コーナーではあさっての方向を照らしているだけで、ポジションライトとしての役割くらいしかない。
自分は夕暮れ時を走る。西日が眩しい。
決勝もこの時間までちゃんと走っていたいなぁ。
ゴールライダーのパレードラップは感動的。でもピットでみんなと迎えるのもまたいいもの。
あぁ絶対に完走するぞ!!
ピットワークコンテスト |
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今回初の試み。それはピットワークコンテスト出場。 KTCの協賛で毎年行われているけれど、参加するのは初めて。 メカニックにも晴れ舞台を、ということと、経験を積ませるためにエントリーしてみました。 参加チームは10チームくらい。 で、ピットの位置的になんとぼくらは先頭バッターに(1コーナー側から始める)。 しかし、事前の練習は30分しかしていない。恥をかくかもしれないけど、逆にそれを楽しんじゃえ。 人垣に囲まれ、場内放送の実況付で、緊張の中コンテストは終了。 結果(順位)はよくわからないけど、時間は58秒だったかな。(土曜の夜には半分くらいでできるようになりました。) もっと他のチームも参加すればいいのに。 |
悪い見本 |
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有力チーム、8耐慣れしているチームの土曜の夜は早い。 逆にプライベーターで8耐経験の少ないチーム、準備に時間の取れなかったチームは、現地でやることが多くなってしまう。 土曜の夜、遅くまでタイヤ交換の練習をしていたり、サンダーでガーガー削っている音が鳴り響いていたり。 ぼくらも然り。 結局、タイヤ交換の練習を始めてから、これがダメ、ここをこうしておいたほうが...となってしまって、夜12時で無理やり切り上げるまで作業が続いてしまった。 やっぱりサーキット入りする前にきっちりやっておいて、現地ではピットロードの傾斜やエアツール・スタンド等の確認と、若干の練習で済むくらいでないと。翌日、レースは8時間もあるんだし、その日のうちに帰途につかねばならないスタッフだっているんだし。 てなわけで、今回のぼくらは悪い見本です。遅くまでやればいいってもんじゃありません。 |