〜 '99 鈴鹿8耐 奮戦記(起承転結の「転」編)〜




再スタート


目指せチェッカー。決勝のドタバタ記録はこちらで。
 (別ウインドウに表示されますので、切り替えながら読み進めてください)




 Racing Garage ASP. の足立さんの陣頭指揮で修復が始まってから約30分。
 マシンに火が入る。外装が組付けられる。岡田がヘルメットをかぶる。
 メカニックとオフィシャルが最終確認。
 14:00。再びコースへ。
 見送る松島もメカニックもホッと一安心。


 いやぁ岡田がピットを出て行くのを見送った後は、レースに復帰できた(自分のミスでリタイヤにならなかった)こと、メカニックへの感謝でグッときてしまいましたね。
 とにかく良かった、良かった。最後まで走れるチャンスが残されたんだ、絶対チェッカーを受けてやる!


 松島の疲労を考えて岡田が少し長めに乗ることになった。2周3周、マシンは問題なく走っている。
 順位は関係なくなってしまった。今はとにかく最後まで、チェッカーまでたどり着くことを考える。


シケイン立ち上がり:岡田
これ、かっこいいです。岡田です。


突然の雨

 我々が再スタートしてしばらくした頃、#4 岡田/バロス組と#71 加藤/玉田組によるトップ争いが激しくなる。
 岡田はとりあえず順調に走っている。
 ガスチャージのみのピットストップも終え、2本連続走行。がんばれ。

 しかしここで東コースを中心に、突然の雨が…。
 おそらく通り雨であろうが、徐々に路面を濡らす。

 岡田が我慢の走りをするが、雨が強くなってきたので、ピットインが早まる可能性もあり、松島も再び走る準備をする。
 体の疲労は、再スタートできたことでみるみる回復してきた。

 ついにたまりかねた岡田がピットイン。タイヤをレインへ。
岡田「もう大丈夫? 行ける?」
松島「大丈夫。復活した。」
岡田「東コースはフルウエット。西はそれほどでもない。」
 言葉を交して松島が濡れたコースへ。

 レースはまだ半分を消化したあたり。
 最初のこの雨で、各ピットも大忙し。転倒車もある。
 ぼくらにはこの先、何が待ち受けているのだろうか?


もう転べない
 気合いを入れ直してスタートしたのはいいが、転倒直後の走行が雨とはね。相当、かなり、強烈にビビリモード。
 実は豊富ではないスペアパーツは、転倒修復でほとんど使い果たしたといってもいい状況。もう絶対に転ぶわけにはいかない。
 レインタイヤにもかかわらず、スリックのまま走り続けるワークス連中に抜かれる。
 やっぱりコケちゃイカンですよ、耐久は。特に余裕のないチームはね。と猛反省。。。


 しだいに雨は小降りになり、やがて路面はドライへ。
 東コースはやや濡れているが、西コースは完全に乾いていると言っていい。


 ぼくらはピットインまでもう少しなので、レインのまま走行を続ける。
 だけど、タイヤの消耗もあるので、あまりペースを上げることができない。

 ずーっと以前に、乾き始めた路面をレインタイヤで走行し、ものの見事にハイサイドしてフッ飛んだこともあるので、開けすぎないよう、タイヤに負担をかけないよう(単にビビってただけかも)走ってました。


雨上がりのシケイン:松島
見よ!この浅いバンク角...
レインで走っているんですよ。わかってくれ!


 ピットイン。ライダー交代とタイヤ交換、スリックへ。
 路面は乾いてきたが、雲行きはまだあやしい。
 暑い8耐はどこへやら。今年は雨にタタられることが多い…。

 案の定、岡田の走行中に再び雨がパラつく。
 そしてトップ争いでは、#71 加藤がS字で転倒、脱落。
 そんなことは全然知らずにマイペースで岡田は本日2度目の我慢走行。


 再びレインタイヤへの交換とライダー交代。
 またも松島は雨の走り出し。


次なるトラブル?

 さらに再び天候が回復し、コースはドライへと変わっていく。
 そんな時、#42のマシンがホームストレートでスローダウン。プラットホーム寄りをゆっくり通過していく。

 メカニックが走る。
 ピットロードの出口からマシンを押してピットへ戻す。(ここでも1周減算のペナルティ)
 いったい何が起こったのか? ガス欠か!?


 130Rを全開で立ち上がって、シケイン入口でブレーキングに入ろうとしたらブレーキレバーがない!
 その瞬間、コースアウトを覚悟して、シケイン先のグリーンとグラベルの景色を思い浮かべる。
本日2度目の転倒かぁぁ!? いやだぁぁ!
よりによってブレーキレバーがなくなるかぁ?
シケインをまっすぐ行くとどうなってたっけかなぁ?
グラベルさえうまく抜けられれば、最終のアウト側はそこそこ広いし、転ばずにいけるはずだ...
 なんてコトを、わずか数秒で500MHzのCPU並みに脳内処理しつつ、左足ではリアブレーキを渾身の力で踏み込み、右手はブレーキレバーを探す。
 おっ。根元が残ってる?
 いや、スロットルが抜けかけたんだ!
 指でレバーを探り当て、とにかく減速。。。。。止まった。。。
(正確にゃ止まっちゃいないけど、コースアウトせずに減速終了。)
 スロットルが緩んだってことは、アクセルを開けられないので、そのままアイドリングでシケインを抜け、バクバクする心臓をなだめながら、ホームストレートをスロー走行。

 いやぁ、マジびびりました。寿命が823日(意味なし)ぐらい縮みましたね。
 しかしながら、人間って一瞬の時間に、すごいたくさんのことを考えられるもんだ、と変に感心。

 転倒後は思わぬ所が緩む危険があるので要注意でっせ。


 ピットに戻ったマシンを再度チェックし直し、給油とタイヤをスリックに変えて、そのまま松島がコースイン。
 行けるところまで引っぱって、岡田にチェンジする作戦。
(すでに作戦もヘッタクレもなくなっているけど、残り時間を考えて)


 残り約3時間。
 楽しむにも苦しむにも、まだまだ十分な時間がある。
 でも...もうあと3時間しかない。
 ゆっくりと陽が傾いてきた・・・。


もうちょっとつづく。。。


いよいよやっと「結」編。>>GO!



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